【設置場所】 財団法人 先端医療振興財団(先端医療センター)様 
 
PET薬剤の院内製造の場合、一般に薬剤自動合成装置が遮蔽用キャビネット(ホットセル)内に設置されて遠隔的に製造されます。近年、PET薬剤の臨床あるいは臨床研究を実施するにあたり、個々の薬剤の安全性と品質を保証するため、GMPに準拠して製造する「製造の標準化」が進められています。従って、合成環境をより安全かつ信頼性の高いものとし、無菌性を確保するため、従来は被曝防止のために使用していたホットセル自体を浮遊微粒子および微生物による汚染の程度が定められた限度内に維持されるよう管理されることが望ましいとされています。
弊社はGMPエリア用ホットセルとして清浄度レベルの高い無菌操作区域に設置するためのホットセル(クリーンホットセル)を製作しています。クリーンホットセルは合成装置用ホットセル、検定・分注用ホットセル、クリーンベンチで構成されており、クリーンルーム内に設置されたクリーンホットセルはそれぞれグレードB(非作業時クラス100、作業時クラス10,000)を確保するよう設計されています。また、検定・分注用ホットセルはクリーンベンチに隣接して使用させる場合、ディスポ部材装着部をクリーンベンチ内に移動させることで、グレードA(常時クラス100)が確保されます。
 
 クリーンホットセルの構成










クリーンホットセルは「合成装置用セル」「品管・分注用セル」「クリーンベンチ」から構成されており、施設の目的、設備、レイアウト等によって寸法や数量は個別対応となります。
「合成装置用セル」は様々な合成装置を格納します。
「品管・分注用セル」では放射能量測定・重量測定・バイアルへの任意量の分注が可能となるよう、分注装置をはじめ、必要な測定機器が設置されています。
「クリーンベンチ」はホットセル内に設置された装置の製品や資材の搬入搬出経路として使用され、ホットセル内の機器が環境に直接曝露されることのないように工夫されています。
クリーンホットセルは「クリーンベンチ」を併用することで、作業時、非作業時に係わらず常時クラス100を確保することができます。

   
クリーンホットセルはその性能を発揮し維持させるために、構造設備に問題がない施設において、教育訓練を受けた職員が、定められた品質システムや日常管理要件に従って使用してください。

 

 クリーンホットセルの機能と特長
 通常のホットセルの機能に加えて次の機能・特長を有しています。
 
















クリーンベンチ及びクラスⅡ安全キャビネット基準に準じた風速を確保しています。(風速基準 0.3〜0.65m/s)
セル内天井部のHEPAフィルターの開口部が広くとられており、気流はCGスクリーンによって上部から下部への一方向の均一な気流が保たれます。
換気回数はセル内容積によって変わりますが、1000回/h以上に設計されています。
クリーンホットセル扉を開けた場合でも、換気回数が大きいので、閉めると直ちにクラス100に戻ります(数秒以内)。
常時監視モニターで清浄度クラス100を確認できます。
扉を開いた際に、バルブとダンパーの開閉で内部を陰圧から陽圧に自動切換えが可能です。
背面扉を設置し、メンテナンス性を高めることが可能です。(オプション)
排気にモータ駆動弁を設置しており、風速センサーにより排気風量の制御が可能です。
分注・品管用クリーンホットセルはドーズキャリブレータ、電子天秤、分注装置、フィルター完全性試験装置などを格納します。

 
 ■クリーンベンチ可動システム